膝の症状が悪化して手遅れになる前に早めの対処を!
特に女性に多い膝の痛み
更年期を迎える人の中でも女性は、膝の痛みを訴える人が増えています。一昔前よりも、出産を無痛分娩だったり、帝王切開することが増えて、骨盤が開き、背骨の動きが固まってしまい、不調の原因になることもあります。
例えば、次のような症状でお悩みではないでしょうか?
- 立ち上がる時に、膝に痛みを感じるようになった
- 階段を上る時に痛みを感じるようになった
- 正座ができなくなってきた
- 普通に歩くだけでも痛みで歩くのが億劫に感じる
- 整骨院や整体でマッサージしてもらっても、すぐに症状が戻ってしまう
…などです。
問題なのは、産後に適切な処置をせずに放置していた方は、膝の痛みで悩むことが多いです。
骨盤が開いた状態では、股関節もうまく働かないので、更年期の症状がひどくなるのとともに、膝に痛みを抱えやすくなってしまいます。
女性は、変形性膝関節症のリスクが男性よりも高いので、早めに適切な処置をすることで、生涯自分の足で歩ける健康的な体に近づくことができます。
まずは、膝に痛みを感じるのは、なぜでしょうか?
膝痛のメカニズム
膝に負担がかかるのは、大きく2つあります。
- 太ももの骨とすねの骨がお互いに違う方向に捻じれている
- 太ももの前側の筋肉を使いすぎて、膝の関節に圧縮するような力が強くかかっている
以上の2つが引き起こされることで、膝に痛みを抱えます。
②の方は、どちらかというと、成長痛のような若い人に多く見られ、50代の方の場合は、①の捻じれることによって、痛みを生じていることが多いです。
膝は、特に捻じれることにめっぽう弱いため、このねじれが修正されない限り、痛みは永遠に続きます。放っておくと、最悪、変形性膝関節症として手術が必要になることもあります。
では、膝のねじれの原因は一体何でしょうか?
膝痛の原因
膝に負担がかかるとしたら、先ほど説明した通りですが、整骨院や整体でマッサージを受けても改善しない場合において、基本的には、『股関節を含めた体幹の筋力が弱い』ことが挙げられます。
特に股関節の部分や胸椎と言われる背中の背骨の部分は、基本的にしなやかに動きながらも力強くあってほしい関節です。この部分が弱いということは、どこか別のところが、しなやかさが必要になり、力をさらに使わなければならなくなります。
ということは、今回の症例でいうと、体幹が弱いことによって、本来しなやかさを求められていない膝に無理強いして、膝を使いすぎてしまっているのです。
年齢を重ねると、筋力的にも落ちてきます。特に体幹部分が弱くなり、いわゆる身体の中心が力を失うと、中心よりも外側に余計な力を求めてしまうのです。
なので、膝の痛みを抱えている人の多くは、他の症状として、外反母趾、腰痛、肩こり、首こり、頭痛など、足の先から頭の先まで合わせて悩みを抱えています。
外見で分かる膝の痛みにつながる姿勢にはどんなものがあるでしょうか?
膝の痛みにつながる悪い姿勢
大きく4つあります。
- 猫背
- 反り腰
- O脚
- X脚
以上の4つではありますが、姿勢は、1つのことを示すものではないので、多くが猫背・反り腰を併せ持ち、O脚・X脚も同時に抱えていることになります。
この姿勢の悪さを形作っているのは、すべて体幹の力の弱さにあります。人間は、基本的に動く動物なので、動かなければ、筋力がつくことはありません。
整骨院や整体で膝の痛みが改善されないことにお悩みであれば、そもそもマッサージを受けても筋力がつくわけではないので、頼るところが間違っている可能性が高いです。
もしくは、もうすでに変形が進んでいて、手術が必要な状態になっているのかもしれません。
では、どうすれば、膝の痛みを改善することができるのでしょうか?
膝の痛みの対処法
膝のねじれをコントロールするカギを握るのは、特に『股関節』の筋肉です。
そのカギとなる股関節を含めた体幹の力を鍛えるトレーニングを2種類お伝えします。
【準備するもの】
イス・ミニボール(orバスタオル)
ハーフヒップリフト
- 踵を椅子の座面に対して真下に押す
- もも裏の力を使っている感覚
- 膝の内側のミニボールをつぶす
- 内ももの力を使っている感覚
- もも裏と内ももの力を使いながら、腰のすき間を埋めるようにお腹の力(くびれの力)を使い、お尻を握りこぶし1つ分くらい持ち上げる
ツイストカールアップ
- 痛みや違和感を抱えていない側の膝を伸ばし、天井に足の裏が向くようにする
- 痛みを抱えている側の
- 踵を椅子の座面に押し込み、もも裏を使う
- 膝を伸ばしている方に膝を近づけ、内ももを使う
- 息を吐きながら、膝を伸ばしている方と反対側の手を伸ばし、伸ばしている足のつま先を触るようにみぞおちから上を丸くする
以上、2種類を紹介しました。この2種類は、膝の負担を減らすための、基礎中の基礎なので、まず取り組むべきは、このように、もも裏と内ももの筋肉を使いながら、胴回りの筋肉を強化することが導入編としては重要ですので、無理のない範囲で行ってみてください。
最後に
ここで覚えておいて欲しいのは、もし、整骨院や整体で「膝の筋力が弱っていますね。家で膝の下に枕やクッションを入れて、膝でつぶすように力を入れて膝のトレーニングをしてください」…というアドバイスをされることがあったかもしれません。
間違ってはいませんが、もしあなたが、体幹の力が弱いのにもかかわらず、その膝のトレーニングをしたところで、負担が増してしまうので、オススメしません。物事には順序があります。
座ったり、立ったり、歩いたりする上で土台となる『体幹』の力が弱いのに、他のことをしても、何をしてもムダですし、むしろ悪化する可能性さえも潜んでいるのです。
本気で改善しようとしている先生であれば、まずは、体が今どの段階で、どの順番に改善のステップを踏んでいくのが適切かを考えて、言葉にするのですが、一般的な量産型の整骨院では国家資格を持っているのにも関わらず、専門的なアドバイスができている人に、私は、まだ出会ったことはありません。
なぜなら、整骨院の先生は、リハビリやトレーニングを指導する専門家ではないからです。なので、体がどういうプロセスで不調から解放されるのかを知っているようで、腹の底から理解している人は全国探しても少ないのではないでしょうか?
整骨院は、あくまで捻挫や脱臼、打撲など、急性のケガに対しての治療のプロです。なので、それ以外の肩こりや腰痛、膝の痛みなどの症状には、対症療法、一時しのぎの施術しかできないのが実情です。
保険を使って安く通えても、頻度を増やして、体にメリットもない施術を1年続け、お金だけ無駄に投資して、体には変化が出ない...そんな人を何人も見てきました。
私も整骨院で勤めていましたが、運動療法を取り入れているのは、私しかいなかったので、指名してくれさえすれば、全力で力になれるのにと、残念に思っていました。
そこで、あなたができる膝の痛みを改善するためのプロセスをお伝えすると、
- まず、病院で膝の状態を精密検査して変形の有無を知る
- 治療として、病院の施設で理学療法士にリハビリを指導してもらう
- もしくは、整骨院や整体の中でも、理学療法士やアスレティックトレーナーの安全で効果的なトレーニング指導ができる専門家に診てもらう
- 自宅でもアドバイスされたとおりに、トレーニングを実践する
以上が、プロセスになります。基本的なことを言うと、私たち治療家は、レントゲンやMRIをとることはできませんので、関節の中の異常を見つけることは困難です。
まずは、精密検査を受けて、それから適切な治療プログラムを組むことができますので、病院嫌いの人もそうでない人も、最初に行うのは、病院で膝の変形の有無を調べてもらうことが前提として必要となることを知っておいてください
検査の結果次第では、私が力になれることがあるかもしれないので、いつでもご相談ください。